池田の猪買い
これであなたも大阪人
皆様は「池田の猪買い」というネタをご存知ですか?
「冷え改善のため、喜六が丼池(どぶいけ)から池田まで猪の肉を買いに行く」というネタなのですが、池田までの道順が割と細かく説明されている大阪の地理の勉強になるネタでもあります。
丼池の甚兵衛さんの所へ喜ィ公がやってきて、ノボセは治ったが、体が冷えて困るという。
甚兵衛さんは、冷えには、猪(シシ)の身がよく効くと教える。
それも店で売っているような身ではなく、獲れたての新しい猪の身でないとだめだという。
甚兵衛さんは、池田の山猟師の六太夫の所へ行って、新しい猪を売ってくれるよう頼めという。
「うちとこの表を出たらこれが丼池筋や、なあ。こいつを北へドーンと突き当たる。と、この丼池の北浜には橋がない。左へ曲ってちょっと行くと、淀屋橋という橋があるやろ、淀屋橋・大江橋・蜆橋と橋を三つ渡ると、お初天神という天神さんがあるな。あそこの北門のところに紅卯というすし屋の看板が見えたあるそれが目印や。そこから一本道まっすぐその道を上がって行きゃええのや。北へ北へと上がって行く、十三の渡し、三国の渡しと、渡しを二つ越える。服部の天神さんというお宮があるな、それを尻目にころして行くと岡町。岡町をぬけたら池田。池田の町中で聞いてもわからんな、山の手へかかって山漁師の六太夫さんちゅうて聞いたら大阪まで聞こえたある猪撃ちの名人や。」
翌朝、喜ィ公は、丼池筋を北へ北浜に突き当たり、淀屋橋、大江橋、蜆橋と橋を三つ渡り、お初天神の西門のところの「紅う」という寿司屋の看板を目印に北へ、十三の渡し、三国の渡しを越え、服部の天神さんを後にして岡町から池田へと入り、猟師の六太夫さんの家にたどり着く。
今の冷え取りは?
今は、体の冷えをとるために池田まで猪肉を買いに行く必要はありません。
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笑うのも、泣くのも、生理的には一種の排泄現象です。
落語の滑稽噺や人情噺で笑ったり泣いたりしてリラックスすると、体温が上がります。免疫学の権威である故安保徹先生の理論では、笑うと副交感神経が優位になり、神経伝達物質のアセチルコリンが出て、リンパ系の免疫が活性化します。
落語をはじめとする笑いは、ストレス発散にも役立ちます。ストレスを感じている人は、ぜひ積極的に楽しんでみては如何でしょう。
■ひと言
「冷え気」
広辞苑で「冷え」を引くと「腰から下の冷える病」
今はそうかもしれませんが、昔は性病のことを言ったようです。
この噺の主人公が患う病気は淋病。
古い演出では「セガレが患うてる」「リンゴ屋のヒョウスケでリンビョウ」などの軽いくすぐりがあるが、今はお客様が「淋病」という言葉で引いてしまうことがあるので、「冷え」と言ってぼやかしているそうです。